その時、リビングでケータイが鳴った。



留宇にはベッドで待機させ、リビングでケータイを確認。



虎宇…?



「どうした?」

「留宇のことで話あるんだけど出て来れない?タイラも向かってるし」

「寝てねぇんだけど、俺」

「あれ?留宇のこともらってくれるんじゃないの~?」

「わかった、場所教えろ」

「アスカんち~。留宇は置いてきて」



アスカんちなら遠くない。



ってか俺、今日も仕事なんだけど…。



「留宇、仕事でトラブル。今から向かわなきゃなんねぇ」

「あたしも行くっ…」

「留守番もできねぇようで強くなれんのか?」

「でもっ…」

「すぐ帰って来る。メシ作って待っとけ」

「わかっ…た…」



ウソをついたのは心苦しかった。



でも留宇がいたら虎宇がイヤがる。



アイツは極度のシスコンだからな。



汚いとこは見せたくねぇんだろ。



「暴れてモノ壊すなよ?」

「そんなことしないもん…」

「いい子で待ってたらご褒美やるから。じゃあな」

「行ってらっしゃい」



行ってきます。