そこで任された潰れかけのクラブ。



『ウマいことやったら雷にこの店くれてやる』



大介さんの趣味でやってたクラブを自分の学んだこと全てで盛り返してやった。



「マジでくれたからそこから2店舗目、趣味の店って感じで今は軌道に乗ってる」

「すごいね、雷さんって…」

「数字と向き合ってんのは接客するよりも好きだしな。口がウマくねぇから合ってねぇんだ」

「そうですね、雷さんが接客は怖いかも」

「ハッキリ言うな…。ってことで俺は生きてんの」



ギュッと腕に抱きつかれ、空いてる手で頭を撫でる。



もう涙は出てない。



「あたしも強くなりたい…。雷さんみたいにひとりでも生きていけるくらい…」

「ムリだろ。世間知らずでなにもわかってねぇ留宇には」

「ムリじゃない!!やってみなきゃわからない!!」

「随分強気だな?」

「虎宇とアスカと雷さんのそばにいたい…から…」



でもアメリカ行きは決まったんだろ?



どうすることもできねぇんじゃねぇの?