おばさんとの話を済ませたカンゾウさんの姿を見て、私は青ざめる。

そういえばカンゾウさん、今の今までずっと荷物持ちっぱなしだったんだよね。

レーノがいなくなった事もあった所為か、すっかり忘れてしまっていた。


「カカ、カ、カンゾウさん! 私ってば今の今までずっと……」
「…………? ああ、荷物の事ですか? ご安心を。これくらいは平気だと先程も申しあげましたでしょう?」


そうなんだけど、そうなんだけど……あまりにも長時間持たせてしまっている気がして。

本当に申し訳ない事をしちゃった気分になる。


「部屋までは私が持っていきますので……」
「いえ、大丈夫ですのでご心配なく」

不老に近いとはいえ、70を過ぎた方にずっと持たせるなんて。私はなんて事をしたんだろう。

3人分も抱えているんだからきっと肩とか凝っていると思うのに。