「じゃあ!また後で!」



先生は、着替える為に校舎の中へ走っていった。



少しだけ

視線が気になった。



激しく突き刺さるような視線と


羨ましがられているような憧れの眼差し。




「直、良かったね!」


ゆかりと依子と3人で手を繋ぎ、全速力で走った。





何度も走ったこの校庭。




夏の暑い日に下敷きで顔を仰ぎながら体育の授業を受けたこの場所。



冬の寒い日に、半袖でここを走ったね。



辛かったけど、


1周走るたびに、先生が『がんばれ~』って声をかけてくれるのが


ものすごく嬉しかったんだ。




寒さも疲れも吹っ飛んじゃうくらいに先生の威力は凄かった。






何歳になっても


大人になっても


きっと何も変わらない。





ドキドキする気持ちも

こんなキラキラした日々も

きっと永遠。





高校生じゃなくたって


いっぱい青春できるんだ。