先生が


肩に手を回す。


とても自然に…





生徒がいるのに…


たくさんの視線が先生に向く中で、


肩に手を回してくれた。




溢れる涙に気付いた先生が


ポケットから出したのは、


玉虫色の虎の描かれたハンカチ。



「すげー、凝ってるだろ、この仮装!」




写真を撮り終えた私は、先生に握手を求めた。


またまたファンモード。



「握手いいですか?」



真っ赤になり先生に握手を求める姿にゆかりと依子がただただ爆笑していた。



しっかり握られた手は、いつも握っているのに久しぶりに感じられた。

片思いしていた頃、握手してもらったあの時の気持ち。

大好きな先生との握手の後は、胸が苦しくて息ができないんだ。

その手を頬に当てると、先生の手の温もりが甦ってくるようで

握手の後は必ず頬に手を当てていたっけ。