「パソコン新しくしてもらったんだけど…マウスだけは変えられなくて。前のままだから… 今は、こんな丸いボールの入ったマウスは誰も使ってねぇんだぞぉ!」



先生は思い出のマウスを人差し指で、ツンっと突っついた。




「ありがと、先生!」




甦る。



こぼしたオレンジジュースも

ここで先生の服に着替えたことも

ここから見た夕日も…



私の宝物。





「直、マウスの中の文字…まだ残ってるから。」




先生は、甘い顔で私の顔を覗きこむ。



「好きだよ、先生。」




「ばかぁ!チューしたくなるだろ!!」




先生は

お弁当を食べる他の先生の目を盗んで

こっそり私にキスをした。





先生、好きだよ。



マウスの中の文字と同じで

私のこの気持ちも

ずっとずっと変わらないから。