俺は、追いかけた。



部屋の前に直がしゃがみ込んでいた。



直の周りにはできたばかりの友達がいた。

直はいつも友達に恵まれている。



それは、直が優しくて友達想いの子だからだろう。



直を取り囲む3人組を見ていると、直の学生時代を思い出した。



俺の知らないところで、こんな風に泣いていたのか・・・


教室の片隅、体育館の裏…

直は、こんな風に友達に背中を抱かれ、涙を流していたのか。



2人きりになった俺と直は、何度も謝り合う。


直は何も悪くないのに、ごめんと何度も頭を下げた。



俺が悪いのに…


俺が軽率だった。




俺、雅子さんにそんな気があるなんて全く気付いていなかった。


謝りながらキスをした俺達は、

また少し成長した。