「あんた言ったじゃん。僕を信じてって。僕を先生だと思ってってさ。深く考えずにぶつかってみればいいんじゃない?」



先生は、手招きして私を呼んだ。

隣に座った私に時々触れる左手が、嬉しかった。


真剣な表情で話してるんだ、先生。


う~ん…と考え込んだり、


そっか!って何かひらめいたり、いろんな表情の先生。



教師って仕事は、学校にいる時だけじゃなく

学校を出てもこうして悩んで大変なんだ。


先生、尊敬しちゃう。





「直…俺、今日お父さんと添い寝しちゃうぞ~!」



先生はそう言いながら、お父さんとリビングに敷いた布団の上に転がった。



「おやすみ、先生。」

「おやすみ、俺の直・・・」



お父さんやお母さんがいる前で、そんな恥ずかしいことを言ってくれた先生は

赤くなる私にも気づかずに眠ってしまった。