次の日の朝、二人は真奈美の息子の墓参りへ行くことにした。


「弱いママでごめんね…、もう大丈夫だから…安心して天国に行ってね。大好きなクッキー持ってきたよ。」


真奈美は前に川に流していたクッキーと同じものをお供えしていた。


「そういうことだったのか」


「えっ?」


真奈美は春人の言葉に振り返った。


「あ、いや…なんでクッキー流してたのかなって思ってたから」


「あ、そっか。そゆことなの」

「じゃぁ…絵は?いつも描いてた…」

「ああ…、あの子が遊んでる姿を描いていたの。あれが完成すれば…戻ってくる気がして…」

「そっか…」

「あーでもなんか…すっきりした!春人くんのおかげだね!」

真奈美は気持ち良さそうに伸びをした。


「いや…俺は別に…」


「ね、お礼がしたい。うちでご飯食べてってよ」


昨日のことがウソのように真奈美はスッキリした顔をしていた。


「えっいいの?」


「うん!さ、行こっ」


二人は自然と手を繋いでいた。