「拓磨くん…は…命日を覚えてくれていて…それで…お花を…」


「うんうん…」


真奈美は春人の胸の中で必死に話した。


「拓磨くんだって…ツライに決まってるのに…私…あんなひどいこと…」


「もういい…話さなくていい…これ以上…辛い思いしないで…」


春人もいつの間にか真奈美の頭をなでながら、涙を流していた。


「春人くん…ありがとう…こんな私に優しくしてくれて…」


「えっ?」


「こんな…私のために…」


「力になりたいって…言ったろ?」


「うん…」


「俺…真奈美さんの側にずっといさせてほしい」


「春人くん…」


「俺が真奈美さんを支えるよ…だから、もう苦しまないで…そんなんじゃ、真奈美さんの子だって…心配で天国に行けないでいるかもよ?」


「そう…だよね…」


「うん…」


春人は真奈美の涙を指で拭った。