先輩は私と視線が合う距離になる前に自転車を走らせた。 その時は 怖くて訳がわかんなかった。 どうしてここにいるの? なんで何も言わずに行くの? 本当は、今でもよくわからない。 けど、思うんだ。 先輩は私がちゃんと家に帰れたのかを心配してくれてたんだって。 だって、やっぱり先輩は どんなに怒っても優しい人だから……。