立ったまま抱き締め合い

部屋が暖まらないと文句を言う私たち



机の上の資料が目に止まった



「西原、ここの大学に行くの?」


「受かったらね」



その後

西原は、初めて自分の夢の事を話してくれた


真っ直ぐな瞳で

少し未来を見ている瞳が

とても輝いて見えた




「そっちは?」


「私? 私も一応決まってる、かな」



はっきりと答えられなかった


私は西原のように

胸を張って答えられる選択をしていなかった


ただ、矢田くんの傍にいられるようにと

学校を選んでいた