バレンタインの3日前から
部活から帰った私は毎日キッチンで格闘した
ビターチョコを使ったガトーショコラ
何度も作る練習をしてた
苦戦してる私の姿に
お母さんがアドバイスをくれた
たぶん、初めてお母さんが私の恋を応援してくれた瞬間だった
そんな私の姿を、お父さんは嬉しそうな寂しそうな表情で見ていた
何度も中まで焼けてるかチェックして
用意した袋でラッピングして
この時、どうしてひとつ味見しなかったんだろうって後で後悔した
けど、この時の私は必死だったんだ
矢田くんに喜んでもらいたい
ただそれだけだった