ある日も、同じように矢田くんが部室の個室から出てくる事を待ってた



少しでも長く傍に居たいのに

そう思ってるのは私だけ?



不安と苛立ちで胸が一杯になる



そんな私を気遣って、女友達が一緒に居てくれてた




まだ?

まだ来ないの?

私なんてそんなものなの?



泣きたい気持ちだった





個室のドアが開いて、矢田くんが顔を出す



やっと来てくれる…


そう思った瞬間、矢田くんが手を振って言った



「バイバイ」





え…



え…




私は矢田くんを待ってたのに


矢田くんと帰るためにここに居たのに



どうして…?








心とは裏腹に

私は手を振ってた