電車は満席で、

矢田くんはドアに背中を預けてしゃがみ、私はその隣で立ってた






立ってる私


ずっとドキドキしてた




電車に揺られ始めると

矢田くんが私の小指を口の中に含んだから



ドキドキして

ドキドキして

体の奥が熱くなるのを初めて感じた



何も話さない矢田くんの熱が

小指に伝わってくる




もっと矢田くんを感じたい


もっと傍にいきたい




けど


その時の私は

どうすればいいのかわからなかった