帰り道
キスをしてる時
うっすらと私を見つめる矢田くんの瞳と視線が重なる
キスも
その瞳も
私をドキドキさせてた
息が苦しくても
何度もキスを重ねる
その唇が
初めて私の耳にきた時
体中が紅潮した
その唇が
初めて首筋に降りてきた時
矢田くんの制服を握って
矢田くんに身を預けた
だけど
それ以上のことはしない
矢田くんは
それ以上のことをしなかった
それに私は
ここから先に進むことを思いもしていなかった
今思うと不思議
あんなに好きだったのに
どうしてあの頃
何も考えてなかったんだろう
矢田くんと私
どこか近づけない距離にいた