就寝の時間があるから

少しの時間しかなかった



そのわずかな時間が、

本当に本当に幸せだった



どんな観光地に行くよりも

矢田君の隣が一番だった




矢田君は

人の気配がないことを察してキスをしてくれた


いつもより軽くて優しいキス



キスの後

人目を気にして笑いあった






「明日も会う?」


部屋に戻る時間になると、矢田君が言ってくれた


私は嬉しいのに、小さく頷いた




「じゃ、明日ね」


「うん」



手をふる矢田君に、私は微笑みながら歩きだした




明日も会える




その約束だけで、私の修学旅行はハッピーになった