ごめんね、矢田君



あの時、矢田君に嫌な思いをさせたね




離したくなかった


それなのに

気づいたら離してた




私の頭を叩いた矢田君の後ろ姿

今も覚えてるよ



凄く寂しそうだった


あんな姿は初めてだった





叩かれたのは頭なのに

私が痛いのは胸だった



いつもより力が入ってて、だけど加減してる優しい矢田君の手


その手は、私なんかより痛かったよね



ごめんね