そのまま手を繋いで帰っていると

横断歩道を歩いている一年生の女の子が目に入った



その子は、矢田君を想っている同じパートの女の子




私は咄嗟に矢田君の手を離してしまった


今まで笑い合って繋いでた優しい手を




そんな私の頭を、矢田君は何も言わずにスポンッと叩いた


そしてそのまま歩いてた



私は誤魔化すように「や~」と笑って言ってた気がする




本当は凄く後悔してた


大切な手を離してしまったこと



矢田君よりも

自分や彼女を選んでしまったような気がしてた