帰りに喫茶店でご飯を食べてた
矢田くんは
電車の時間に間に合わなくなるからって
さきに一人で喫茶店を後にした
「じゃ」
みんなに手をあげて見せた矢田くん
私は喫茶店の外に見送りに行こうか迷った
行きたい
けど、なんだか照れくさい
今の私なら、迷わず行けるのに
この時の私は、些細なことで悩んでた
そんな私に
矢田くんと仲が良い山谷くんが言った
「そんなにグラタンが食べたいの?」
私の前にあるグラタンに目を向ける
私は
「そんなことないもん」
そう言って矢田くんが出て行った扉に足を向けた
山谷くんは
私に行くきっかけをくれた
矢田くんのように意地悪な言葉をくれた
山谷くんは
冷たい雰囲気をもってる人だけど
優しい人だった