夏祭りの数日前




「そういえば今日、メガネをかけた高校生の男の子がカットしたいって来たよ」


美容室の仕事を終えたお母さんが何気なく言った




「メガネの男の子?」


「男の子が来るなんて珍しいから、同級生だったのかしら?」


「どうかな…」



メガネ? 斎藤くんかな…



「けど、他の仕事があったから断ったのよね。悪いことしちゃったわ」





この時、私はあまり深く考えず

また来てくれたらいいなって思ったくらいだった