長い廊下の端に立った私


一人先に進む彼女の背中を見ていた



矢田くんが教室から出てくる




『私に気づかないで』



願いは虚しく


たぶん

矢田くんは私に気づいてた



チョコを渡す彼女

チョコを受け取る矢田くん



私は二人の姿を見ないように

後ろを向いてた




この時


胸が張り裂けそうなくらい

苦しかった



矢田くんのことが

好きなんだなって実感した