「こいつはいいんだ――‥」 二年生は苦笑いを浮かべて去って行った。 何も問題ないって顔で笑った彼。 彼の笑顔に 初めてドキッとした。 ううん、 キュゥって喉から胸を押し潰されたような感じがしたんだ。 「ほら、さっさとラを出せるようにしてこい!」 シッシッって追い払うように私に『行け』って言う彼に、 私は頬を膨らませ眉間に皺を寄せた。 他にどんな顔をすればいいのかわからなかったから。