公園に着くなり、ジャンケンをして鬼を決める。
今の中学生には笑われちゃうかもしれないけど、
その時のレクは『たすけ鬼』だった。
ジャンケンに負けた私は数少ない鬼の一人。
あの時の吹奏楽部は50人くらいだったから、鬼は大変だった。
タッチしてもタッチしても、すぐに逃げられてしまう。
無我夢中で追いかけてるそんな時、みんなから離れた木の陰に隠れている荒井大輔を見つけた。
私はそっと近づき、荒井大輔にタッチしようとした。
「おっ、あぶねっ!」
あと少しの所で気づいた奴は、ヒョイっと身軽に体を逸らせた。
くっそ~~
鬼魂に火がついた。