「あっ!!」 曲の同じ所でつまづいた私は、不意にトランペットから唇を外し声をあげた。 「たくっ、おまえわ~」 呆れた顔で私を見る先輩。 私は「へへっ」と苦笑い。 視線を楽譜に戻していると、先輩の体が譜面越しに見えてきた。 え……? 先輩は私からトランペットを取り、机の上に置いた。