「ゴメン!俺まだ生きてたかったんだっ!!」

「へぇ?」


目の前で深々と腰を折る友人A(佐藤健)は私と平の小学校からの知り合いだ。寧ろ、腐れ縁の一人とも言える。そんな腐れ縁の一人が土下座モドキをしてまで私に謝ってくるとは一体何事なのだろうか。


「あー、なんなわけ?」

「えっ!?」

「え?」


何もなかったのかと顔を近付け私に問う健ンを軽くあしらい、平に疑問の表情を見せた。普段の健ンならばこんな私に必死に謝ったり聞きよったりしないのだ。


「だから何なのさっ!意味わからんっ」

「イヤイヤ!わからねぇならそれでイイデスっ」


じゃっと早足でその場を去る健ンの背を見送りながらも、私達二人の疑問は消えず膨らむばかり。くだらないと小さなため息を吐き出し、私と平は友莉サンとちゃやかの待つ図書室へ向かった。