皆でワイワイやっている中震えたのは右ポッケのケータイ電話。普段ならば全くもって気にしないのだけれど、何故だか私はケータイを手に取っていた。近場にいる先生や監視するような先生に見つからないようにそっとケータイを開くと、知らないアドレスからメールが届いているようだ。辺りを二三度見渡しバレる可能性を図り安全だと確信した後、そのメールを開き見ると不可解な内容だった。
『アドレス登録お願いします 峯葵』
｢……誰？｣
聞いた事のない名前。しかしこの人は私のアドレスを知っているワケで、でも私は知らないワケで…。
漫画でいうならば頭にでっかなクエスチョンマークを浮かべている状態の中、私は面倒くさくなり思考を停止させた。今は皆とワイワイするんだぁと思い、メールを見なかった事にしてケータイをポッケに突っ込んだ。
もし、あの時クラスの誰かに"峯葵"について問うてみれば、私は回避策を練れたのかもしれないと今更後悔しても遅いんだけど。
