『院長先生の息子さん?桐也と穂乃嘉ちゃんをよろしくね。』


桐也のお母さんの言葉に、あたしは、よけいに涙が止まらなくなった。




『ええ。』


夏津紀は、こたえた後に、


『行っといで。』


そう言って、カバンからタオルを出し、あたしに差し出した。





あたしはタオルを受け取って病室へと戻った。




『本当に…届く?きこえる…?』


あたしは桐也に尋ねた。





当たり前のように返事はなかった。





『桐也…?目覚ましたら、あたし……桐也に伝えたい事があるんだぁ↑そん時は、嫌がんないできくだけきいてね。』