そう言って、夏津紀のお父さんは微笑んだ。 昔、きいた印象とは全く違い、とても優しそうなお父さんだった。 『穂乃嘉ちゃん。絶対に声は届いてると思うよ!これは気を遣ってとか、そういうのじゃなくて、本当にちゃんと届いてるんだ!歌を……もっともっと歌ってみてごらん?話もかけてみてごらん?穂乃嘉ちゃんの声なら、きっと桐也くんに届くはずなんだ。目は覚まさなくても、もしかしたら何かしらの反応がある可能性だってある。』