あたしはそっとドアに手をかけた。 後ろを振り返ると、桐也のお母さんが優しく頷いた。 ガラガラ…。 『失礼します……。』 一応挨拶をして病室へと入った。 中に入ると、器具をたくさん付けられた桐也がベッドに横になっていた。 あたしはドアをそっと閉めて桐也の所に向かって歩いた。 中にいた看護士と医者らしき人たちは、あたしに気を遣ったのか、 『何かあったら、廊下にいるのですぐに呼んでください。』