しばらくすると…。 『穂乃嘉、これ。親父が廊下は冷えるから、使えってさ↑』 夏津紀が来て、あたしに毛布をかけてくれた。 『ありがとう…夏津紀パパにも伝えといて……。』 あたしは、なぜかこんな少しの事なのに涙が出そうになった。 人の優しさってこんなにも染みるものなんだ…って、はじめて気付いたよ。 『そういえば、穂乃嘉さぁー何も食ってねぇーだろ?』 夏津紀が心配そうにきいた。