あたしは、集中治療室の前にあるイスに座った。





中の様子は、まるで見えない…。




あたしは、手を合わせて何度も何度も、


“お願い!!桐也の笑顔を見せて?”


心の中で願い続けた。





こんな事しか出来ない。



それでも、するしかない。

出来ることをやるしかないから。





“もし、桐也に彼女とか好きな人がいたりしたら、かなり迷惑な話かもしんないけど……”


あたしは願いながら、少し思った。







秋だとはいえ、夜になると広い廊下は、少しだけ肌寒く感じた。