でも、この生活が今までの生活だったんだ。 桐也と再会してから、桐也がアドレスを変えるまでの期間は、あたしにとっては夢のような時間だった。 夢を見てただけ…あたしは夢を見てただけで、こっちが本当のあたしの生活なんだ。 あたしは時間がたつにつれて、そう思い込もうと、また何度も何度も自分に言い聞かせた。 桐也は、素敵な想い出なんだ。って…。 届かぬ想いを、胸に秘めたまま、あたしはそれからの毎日を過ごした。