―― 家。――― あたしは家の鍵を開けて中に入り、手を洗ってから、リビングのソファーに座った。 桐也の事を好き……。 でも、あたしは桐也が幸せなら、それでいい! だって桐也はいつも無条件で、あたしを笑わせてくれたから。 桐也には幸せになって欲しいから。 あたしは、思いながら少しだけ寂しい気分になった。 気付くのが遅かった。 桐也が手の届かないとこにいってから、改めて自分にとって大切だったことに気付くなんて…。