ハルキは笑っていたけど、触れてはいけない場所に触れてしまったような感じだった。

「ごめん。」

慌てて謝る。

私らしくもない。

「いいって。なんだかやけにしおらしいじゃん。それくらいで、俺はミクのこと嫌いになんかならないし。」

「そういうわけじゃないんだけど。」

「あはは、やっぱり?っていうか、今日は俺、ちょっと色々もやもやしてるから、俺の相手大変かもよ。」

「大変?」

「朝までしっかり付き合ってくれる?」

「は?」

「いつも車ばっかだからさ、今日はホテルリザーブしといた。」

「な、何?ハルキ、帰らなくていいの?」

そんな質問しながら、体中が熱くなっていくのがわかった。

今日はずっとハルキと一緒にいられる。

時間を気にせずに、ハルキに抱き締めてもらえる。

「帰った方がいいなら、俺帰るけど。」

ハルキは意地悪な目線を私に送った。

「ば、ばかじゃない。」

思わず目をそらす。


ハルキはとても高級そうなシティホテルの駐車場に車を入れた。