その人は、しばらくして言った。

「で、旦那はまたしばらくいないわけ?」

私は軽くため息をつく。

「いい加減、その他人行儀な呼び方は止めたら?ハルキ。」

ハルキは、前髪をかき上げながら苦笑した。

「ミクの旦那には間違いないだろ?旦那兼俺の兄貴ってだけで。」

「旦那って呼ぶのは、後ろめたさからなの?」

「別に。後ろめたいなんて思ってないし。」

そう。

その人、ハルキは私の旦那の弟だった。


「どうして、こんな関係になっちゃったんだろうね。」

私はもう一度仰向けに寝転がって目をつむった。

「そういう運命だったんじゃない?」

ハルキは軽く笑った。