いつものように優しく抱き合った後、私は乱れた髪をもう一度束ねなおす。

その人は、私のワンピースの背中のファスナーをゆっくりと上げてくれた。

「俺、こうして後ろからミクを眺めるのも好き。」

「ふうん。どうして?」

「色んな想像かきたてられるっていうか。今どんな表情してんのかな、とか。どこ見てんのかな、とかさ。」

私はその人の方に振り返ると、

「こんな表情してた。」

と言って、わざと変な顔をしてみせた。

その人は、屈託のない笑顔で自分の膝を叩いた。

「ミク、最高。」

「ばかみたい。」

私も笑った。


しばらくして、また森の静けさに包まれる。