「ミズキちゃんは、お腹に赤ちゃんが宿る前から、やっぱりハルキくんと結婚したいなーって思ってたわけ?」

タクミが私の顔を凝視した。

こういう状況で、こんなこと聞くのって不謹慎だものね。

慌ててフォローを入れる。

「おいおい、ミク。お前かなり酔っぱらってるだろ。くだらないこと聞くな。」

「くだらなくなんてないわよ。お腹の赤ちゃんだって、きっと聞きたいことだわ。」

私はタクミの方を見ずに、ミズキちゃんに微笑んだ。

我ながら、よく言うよって思う。

ミズキちゃんは、そんな私ににっこりと微笑んだ。

「正直、迷ってました。」

「え?」

タクミが思わず声を出した。


ミズキちゃん。

なかなかいけてる。

こういう、正直に生きてる人間、好きだわ。


ハルキをちらっと見る。

意外にもハルキは微笑みながら私を見つめていた。

とても冷静な目で。


「迷ってた?ハルキくんとの結婚?」

「ええ。付き合いも長いし、普通なら結婚を意識するんでしょうけど、恋愛と結婚ってやっぱり違うと思うし、本当にこのまま流されていいものかって不安があったのは確かです。」

「わかるわ。ミズキちゃんの言ってること。」

私はタクミとの結婚には全く不安はなかったけど。

ハルキと付き合ってたら、間違いなく迷ってた。