ワイングラスを持つ手が震える。

さっきまで、いい調子で酔いが回って、ごまかしていた自分の気持ちがおさえきれなくなっていた。

ハルキは一体何を考えてるの?

時折タクミと会話をしながら笑い、そしてミズキちゃんと目を合わせて微笑んでいた。

年上女をバカにするにもほどがある。

しかも、私はあなたのお兄さんのフィアンセなのよ。


ずるい。


でも。

これも運命。

流されないのも運命。

縁があったから子どもができた・・・。


そう。

そういうこと。


自分に何度も言い聞かせる。

少しずつ呼吸が落ち着いてきた。

震えていた手も治まる。


少し長めに息を吐いた。

「ねぇ、ミズキちゃん。」

「はい?」

ミズキちゃんはキラキラと瞳を輝かせて私の方を見た。