お料理も終盤になった頃、ふいにハルキが口を開いた。

「実は、ここで報告したいことがあるんだ。」

「おいおい、何だよ改まって。」

少し酔いの回ったタクミが、残りのお肉を口に入れた。

ハルキはミズキちゃんと目を合わせた。

なんだか嫌な予感がする。

とても。

トイレに立ちたいくらいに、私の心臓がドキドキしていた。


「俺たちも来年結婚することになったんだ。」

「え?そうなのか?おいおいー、いきなりだな。」

タクミも初めて聞いたのか驚いた様子だった。

私は予想通りの言葉に、心の中でため息をついた。

「いきなりっていうか、付き合いは長いし、俺も就職したしさ。でも、本当はもっと大事なことがわかって。」

ハルキは、ミズキちゃんに承諾を求めるような表情で少し目を見開いた。

「ミズキのお腹に赤ちゃんがいるんだ。」

タクミと私は言葉を失って、ミズキちゃんのお腹に視線を向けた。

ミズキちゃんは恥ずかしそうにうつむいた。

「順番はおかしいんだけど、今3ヶ月だって。」

3ヶ月・・・?

それ知ってて、私と・・・・?

私の気持ちは完全に折れた。

ハルキって人は。

少しでも心が傾きそうになった自分を悔やんだ。