絶妙のタイミングでウェイターがワインを持ってきた。

私たちは着席して、美しいロゼのワインがグラスに注がれるのを見つめた。

この注がれる音。

色も美しいけど、音も好き。

どうしてロゼを選んだかって、この微妙な透き通ったピンク色がたまらなくキュートだから。

「じゃ、とりあえず、こうして4人で出会えたことに乾杯でもしますか。」

タクミが照れくさそうに笑った。

それぞれがグラスを合わせる。

まずは、ミズキちゃん。

素敵な笑顔で軽く触れる。

そして、タクミ。

いつものように笑って。

最後はハルキ。

敢えてハルキは見ず、タクミの方を向いてグラスを合わせた。


とてもおいしいロゼだった。

とにかく私は早く酔いたくて。

ペースを上げて飲む。

明らかにタクミとミズキちゃんは驚いていた。

こうでもしてないと、自分自身が潰れそうだった。

これって、これって。

相当ハルキを意識してる?

最後の砦が崩れそうになるのを必死にごまかしていた。