妙に無表情なハルキに、タクミは怒ってると勘違いしたらしい。

それが勘違いかどうかは、本人でないとわからないけれど・・・。


「そうなの。そんな魅力的な彼女なら、私もお会いするの楽しみ。」

タクミをフォローすべく、心にもないことを言った。

ハルキは鼻で笑った。

「心配しなくても、ミズキよりミクさんの方が素敵ですよ。」

バックミラーごしにハルキと目が合う。

不覚にも赤面してしまう自分がいた。

「おいおい、あんまりミクをからかうなよ。ミズキちゃんにも怒られるぞ。」

「ミズキは怒らないよ。心が寛容だからねぇ。だから俺とだってここまでやってこれたんじゃん。」

タクミは首をすくめた。

「ま、それもそうだな。でもだからこそ、大事にしてやれよ。」

「俺なりに大事にしてる。」

大事にしてる・・・か。

ハルキなりにね。

私との関係があった後も、ミズキちゃんとの関係は変らなかったのかしら。

ふと気になった。


例えそういうことがあっても変らない運命もあるものね。