明るかった街のネオンが次第に少なくなっていく。

人気のない道路。

無機質な道。

ほとんど、光がない暗闇の世界。

両サイドには深い森が続いていた。

怖いくらいに静かで。

森の息づかいが聞こえそう。

車のライトが暗闇を唯一照らす道しるべのようだった。


そのうち、アスファルトのない、でこぼこ道に入る。

「お尻、痛くない?」

「別に。こういう道って、訳もなく笑える。」

「ミクらしいね。」

その人は笑った。


そして車は停まった。

目の前は真っ暗。

両サイドも後ろも。

車のすぐそばまで木々が迫っていた。