ハルキはどんな風にタクミに話たんだろう。

急にそわそわし始める。

「え、あーうん。会った。」

「ハルキはどう?」

「どう?って・・・?」

タクミ、ひょっとしてカマ駆けてる?

「いや、こないだからちょくちょく会ってるからミクの印象が知りたくてさ。」

「印象って・・・そんな大したこと話してもいないし、しょっちゅう会ってるわけでもないからよくわかんない。」

適当に言い逃れる。

「ハルキは相当気に入ってるみたいだから。」

「ふぅん。それはどうも。」

「ハルキって、俺とは全然違うだろ?」

だから、何?

「そうね。タイプ的には正反対かも。」

「でも、すごくいい奴なんだ。」

「うん。」

「ハルキの話は嫌?」

正直、タクミと話すのは嫌かも。

「それよりさ、今回滞在していたイタリアの話でも聞かせてよ。」

「ああ、そっちね。今回最初に向かったのは・・・」

我ながら、うまく切り返したと思う。

タクミは、ハルキの話を流されたことに、さほど不信がる様子もなく、その後イタリアの話を続けた。