熱々の紅茶を入れる。

いつもよりたくさんの砂糖を入れて、キッチンで飲んだ。

時計は、23時。

そろそろ、タクミは起きてきて、シャワーをあびるんだろうか。

落ち着かない時間。

でも、その夜はタクミは一度も起きてこなかった。

そして私は、キッチンの簡易椅子に座ったまま、一睡もできなかった。

起きてこないタクミに不安を覚えつつ。


気が付けば、外が白んできていた。

何杯紅茶を飲んだんだろう。

顔がむくんでいそうだ。

さすがに眠気が襲ってくる。

椅子からずり落ちそうになるのをようやくこらえて、ソファーに倒れ込んだ。

ソファーの皮の匂い。

それだけのはずなのに、ハルキの香りがしたような気がした。

そのまま、眠りの泉に落ちていく。