その夜、ハルキは約束通り、とても大事にきちんと愛してくれた。

窓からオレンジの光が差し込む頃まで。

こんなに長い時間、何度も抱き合うなんてこと、今まで一度もなかった。

そして、こんなにも安らげる時間を過ごしたことも。


ハルキは最後に優しく私の右の瞼にキスをした。

「もう朝だね。」

窓から差し込む光をぼんやりと眺めながら静かにうなずいた。

ハルキは大きく伸びをして、私の枕元に座った。

「ミクは、やっぱり兄貴と結婚するの?」

またか。

そんなこと、何回も聞いてどうするっての。

ハルキだって、一夜限りのお遊び程度のくせに。

短くため息をついた。

「するわよ。」 

「ふぅん。」

「ハルキは、彼女と結婚するの?」

ハルキは私の方をちらっと見た。

「たぶんね。」

やっぱりね。

ハルキは魅力的だけど、魅力的だからこそ、軽薄な部分があるんだ。

結婚するなら、断然誠実なタクミを選んで正解!ってことね。

自分の中で必死に納得していた。