ハルキという人間は、私が考える以上にセクシーだった。

年下だから、軽く見ていたけれど、女性のツボをしっかり心得ていた。

実際、ハルキが言うように、タクミに対してはそういう魅力を感じたことはなかった。

だからこそ、本音でしゃべれたし、安心できた。

結婚はそれでいい。


でも。

私の中に、まだ恋愛したい気持ちがくすぶっているのを気付かせたのがハルキだった。


気付いたら、私は手をつないでハルキと自宅の前に立っていた。

「どうする?」

ハルキの顔を見ずに聞く。

「キスしたい。」

ハルキの手が私から離れ、強く抱き締められる。

そして、唇からほんの少し頬よりに軽くキスをした。

「家入ってもいい?」

ハルキはうるんだ瞳で私を見つめた。

私は軽くうなずくと、玄関の鍵を開けた。