腕時計を見た。

もうこんな時間?

どんなけ飲んでたんだろう。

既に時計は23時を回っていた。

「いつの間にこんな時間。ハルキくん、終電なくなるわよ。そろそろ行く?」

「終電なくなったら、ミクさんちに泊まってもいい?」

少しうるんだハルキの瞳に、不覚ながらまたドキッとする。

「年上女をおちょくんのもいい加減にしてちょうだい。」

私はぷいと横を向いた。

「兄貴のフィアンセに、失礼なことはしないよ。俺、まだもっとミクさんと一緒にいたい。」

「彼女に怒られるわよ。」

「ばれなきゃ問題ない。」

「ばれる。」

「ばれたら、それも運命。」

5歳も年下の男に言いくるめられそうになってる自分が嫌だった。

情けない。

もっと情けないのは、私もハルキと同じ気持ちだったこと。


まだ、ハルキと一緒にいたい。

そして、ハルキの体温を感じてみたい。

私も飲み過ぎたのかしら。