ハルキの目の周りはうっすらと赤い。

だいぶん酔ってる?

「タクミとの距離感が丁度いいっていうか、居心地がよかったからかな。」

「それだけ?」

「じゃ、いけない?」

「結婚ってそんなもんなの?」

やけに詰め寄ってくる。

「ハルキくんも結婚を考える女性がいるみたいだけど。」

話題を振り替えよう。

「あ、俺にふる?」

酔ってはいるといえ、明らかに話題をふられたハルキは苦笑した。

「はい、いますよ。学生時代からの付き合いで今年で4年目。そろそろ結婚かなぁと考えてる。」

「そう。どんな女性か気になるな。」

私は前髪をかき上げて、わざと上目遣いにハルキを見た。

ハルキは私から目をそらすと、飲みかけの冷酒を飲み干した。

「出身が北海道だからか、すごく純朴で優しい子ですよ。」

「シンプルね。」

「とてもいい子だから、俺がこんなでも4年も付き合ってこられたんだと思う。」

「俺がこんな?ハルキくんって実は見た目に寄らずやっかいな性格だったりする?」

ハルキはうつむいて、苦笑した。

「やっかいだと思いますよ。付き合ったら。」

「へー、どんな風に?」