「え?中入ってもいいんですか?」

「どうして?」

「だって、俺一応男だし。っていうか、ミクさんもうすぐお嫁さんに行くわけで、他人が見たら色々とややこしいんじゃないかと思ったりするんですけど。」

明らかに動揺してる。

なんかかわいい。

っていうか、結構まともな考え方。

そりゃそうだよね。

でも、このまま外出るよりは、中で話聞いた方が絶対早い。

それに、もう既にこんなけすっぴん見られてんだから、その点については解消されてるわけで。

「用件だけ聞くから。長くなるって言ってたけど、なるべく早めに終らせてくれる?」

私はそう言うと、ハルキの腕を掴んで玄関の中に引き入れた。

ハルキの表情が明らかに固まってる。

扉は反動で重たくバタンと閉まった。

「さ、上がって。散らかってるけど。」

ハルキは、軽く会釈すると、靴を脱いで上がってきた。

「お茶入れるから、そこで座ってて。」

二人がけのソファーを指さした。

このソファーお気に入りなんだ。

新居にも持って行くつもり。